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コラム

2025年06月01日

増山喜一医師ドクターリレーコラム「読書、最近読み返した本について」

読書、最近読み返した本について

(一財)北陸予防医学協会 増山喜一 医師

 世の中、ロシア(プーチン大統領)のウクライナ侵攻、アメリカ(トランプ大統領)の関税問題等の悲しい問題が山積していますが、メランコリックにならぬように、前向きになれるような本を紹介したいと思います。
 ウクライナ侵攻が始まった当初、まず頭にうかんだのは日露戦争当時の児玉源太郎の言葉「火をつけたら消さにゃならんぞ」でした。戦争を始めることは出来ても、これを終結させることは至難の業であるとのことと思います。
 そこで、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み返してみました。日英同盟、アメリカ、セオドア・ルーズベルトによる仲介、新渡戸稲造の「武士道」、明石大佐、ロシア革命等あり日本は本当に外交というものに長けていたのだと改めて思いました。また、明治維新というものを考えるために、司馬作品の「世に棲む日日」、「花神」も読み返してみました。素晴らしい作品であるとあらためて感じました。
 また、明治維新をさらに考えるために北岡伸一の「明治維新の意味」を読み返してみました。今、この本を読んで感じるのは大医(小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す。の大医です)に対する叱咤激励ではないのかな、ということです。現在の大変な状況下(人によっては国難とも言われています)においては外圧に耐え得るしっかりとしたリーダーシップを発揮できる人材、チームが必要であるのでしょう。ちなみにこの本の筆者は優れたリーダーとして、大久保利通、伊藤博文、原敬を考えているようです。
 本を読み返してみると、読むたびに違った学びがあると思います。自分が置かれた社会状況によって読み返したくなる本が違うのかも知れません。いづれロシアやアメリカが少し落ち着いたら、梅原猛の「人類哲学序説」(プーチン大統領やトランプ大統領にも読んでもらいたい名著と考えています)でもゆっくりと読み返してみたいと考えています。

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