2014年に日本高血圧学会で高血圧症の治療ガイドラインが公表されました。
このガイドラインで目立った点は、家庭血圧の評価でした。家庭での血圧は正常なのに、健診で血圧測定すると高いことがよくあります。この場合、家庭血圧の評価を優先させることが決まりました。
健診時の高血圧症は140/90mmHg以上を言います。家庭での高血圧症は135/85mmHg以上と決められています。(家庭血圧正常値は健診時より5mmHg低く決められています。)健診時の血圧が高かった時は、家庭血圧(公共施設、職域、薬局での血圧測定を含む)の測定を勧めています。健診時高血圧で、家庭での血圧が正常だった時は白衣高血圧と診断されます。この逆に、健診時正常血圧で家庭血圧が高い時は仮面高血圧(逆白衣高血圧)と診断されます。
家庭血圧の測定方法は、朝、就寝前の2回の機会測定し、その機会ごとに2回測定し、その平均値をとることになりました。
若、中年高血圧者の治療による降圧目標値は高血圧症診断に用いられた140/90mmHg未満となっています。
白衣高血圧症の原因は緊張やストレスが考えられます。白衣高血圧症は血圧を下げる薬は使わず、家庭血圧を測定して経過観察をします。血圧の変動がひどい時は、抗不安薬やベータ遮断薬を服用することもあります。仮面高血圧の原因は、喫煙者、大酒家、精神的ストレスの多い環境にいる方、身体活動が高い方、頻拍気味の方、体位で血圧が変動しやすい方、メタボリックシンドロームの方、糖尿病の方などにみられます。家庭血圧や24時間血圧の測定をし、早朝高血圧、ストレス下高血圧、夜間高血圧などの診断をし、薬物治療をすることもあります。