私の車は現在16年目で4月から17年目に入ります。この話をするとみなさん驚かれ、腹の中ではものすごいぼろ車を想像なさるのでしょう。しかし実際に運転してみれば分ると思いますが、普通に走ります。では何故このような事が可能かと言いますと、自動車の構造について少し詳しいからです。
例えばオートマチック・トランスミッション・フルード、デフ・オイル、ブレーキ・オイル、パワステ・オイル、クーラント液、エアー・フィルター、エアコン・フィルター、燃料フィルター、燃料ホース、タイミングベルト、ウォーター・ポンプ、ダイナモのオルタネーター・ブラシ、ダンパー、プラグ、プラグ・コード、ホイール・ベアリング、エンジン・マウント、ブレーキ・パッド、ブレーキ・ローター、ブレーキ・ホース、マスター・シリンダー、サイド・ブレーキのワイヤー、ドライブシャフト・ダストブーツ、ウエザー・ストリップ、マフラーなどは走行距離や経過年数により交換時期が決まっている消耗品であるのを知っていますか?
エンジン・オイルやワイパーのゴムの交換くらいはみなさん知っていると思いますが、ダンパー、ホイール・ベアリング、エンジン・マウント、ウエザー・ストリップって何?という方がほとんどだと思います。わたしはこれらのパーツを交換時期が来たり、本当は駄目なのですが、壊れたりしてから交換してきました。車から発する音、振動、臭いから車のどこが壊れているかは大体分かります。ガソリン臭がして燃料ホースからガソリンが漏れながら走ったこともあります。あれは怖かった。まだ交換していないパーツも有りますが今後交換する予定です。現代の自動車はメンテナンスをしっかりやれば、20年20万キロは軽く走ります。
一方身体にも自動車の様にメンテナンスは必要です。人の身体は自動車の様にあらゆるパーツを交換できるわけでは有りません。
歯のインプラント、角膜移植、人工関節、臓器移植など限られたものしか交換できません。他の身体の部位は交換できません。ほとんどの方は身体のパーツを交換しないで一生を終えます。ですから人の場合はメンテナンス、いや養生と言った方が正しいでしょうか、が大切になってきます。
東洋医学に未病という考え方が有ります。日本未病研究学会は、未病とは「他覚症状(検査結果の異常)及び自覚症状が無く、検査結果が異常値に近い心身の状態又は、自覚症状というほどではないが気分のすぐれない心身の状態」と定義しています。そして病気とは「自覚症状又は他覚症状の何れかがある場合」と定義しています。一見健康そうに見える未病は病気に近い状態です。普段予防医学に携わっている身としては、未病を発見する事が重要使命になります。
未病を見つけるためには(1)健康診断を受ける(2)歯の健診を受ける(歯は非常に重要)(3)自動車と同様に身体から発する危険信号に耳を傾ける、が必要になります。自動車で20年は人間でいうと80歳くらいになるのでしょうか。そこまで健康に過ごしたいものですが、それには養生が必要です。
私が考えている養生は(1)食べ過ぎない(2)30分以上運動する(散歩でOK)(3)アルコールを飲み過ぎない(4)たばこは吸わない(5)早く寝る、です。未病を発見し、養生を心がければ、高齢になっても健康でいられるのではないかと思っています。