メンタルヘルス コラム

2016年07月07日

<自分の強みを見つけて伸ばしてみよう>      施設長  山上 孝司


 皆さんは、健診を受けて基準値からはずれた項目が見つかると、それが自分の悪い点、弱みと思ってしまうことが多いのではないでしょうか。人は皆、強みと弱みを持っていますが、健康面でも同じことが言えます。

 たとえば肥満の方は、血圧、血中脂質、血糖などが上がりやすいので肥満は弱みと思っている方が多いと思います。しかしこれは一面に過ぎず、多くの強みも持っているのです。
まず少し動くだけで、普通の方より大きな重力が骨にかかるので、骨密度が高くなります。

 次に食費を節約できるというよい点があります。
体質的に肥満になりやすい方は、肥満遺伝子、別名節約遺伝子をいくつか持っている可能性があります。

 なぜ節約遺伝子というかと言えば、体質的に肥満になりやすい方は、脂肪の吸収と摂取の能力が高いので、脂肪分の摂取が少なくて済むのです。
 
 また脂肪の合成能力が高く、また無駄に脂肪を分解して熱としてエネルギーを外に出してしまうことが少なく、摂取カロリーが少なくてすむのです。したがって食費を節約できるのです。

 もし地球がかつての氷河時代のようにまた大飢饉となると、生き残れるのは肥満の方だけです。人類を永く存続させるためには肥満の方の存在が必須なのです。
 またLDLコレステロールが高い方は心筋梗塞、脳梗塞になりやすいですが、低コレステロール血症の方に比べて、がんによる死亡が少ないことがわかっています。

 メンタルヘルスに関していえば、他人の目が気になる方は、自分が悪く思われているのではないかなどと他人の意向を気にしすぎて、メンタル不調になる方が多いですが、実は強みもあります。
 
 他人の気持ちを思いやることができるので、同僚・上司・部下・友人・家族の方の体調の変化、気分の変化などに注意することができ、変化があった時に声かけや相談に乗ってあげることができるので、相手のメンタル不調の予防に貢献できる可能性があるのです。

 もしそれによって相手が喜べば、自分もうれしくなると思います。

 このように身体の健康面、心の健康面において人は様々な個性を持っており、弱みになったり強みになったりします。ぜひ皆さんの強みを活かして、心身ともにより健康になっていただきたいと思います。

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