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コラム

2023年02月01日

増山喜一医師ドクターリレーコラム『健診を受診して「要精密検査」と診断されたら・・・』

健診を受診して「要精密検査」と診断されたら・・・
高岡総合健診センター 増山 喜一 医師

速やかに病院受診して精密検査を受けて下さい。

私は主に消化器がん検診を担当していますが、最近、胃レントゲン(バリウム)検査の読影(診断、判定)をしていて前回も「要精密検査」と判定されていながらも、病院受診はしておらず、今回も健診をされて胃レントゲン検査をしてみると増大した病変を指摘される、というようなケースが増えているように思えます。
学会等でもコロナの影響などで健診受診者が減少傾向である、進行癌で発見される割合が増加した等報告されています。
そもそも、健診とは自分が無症状で、健康であると思うが症状の無いうちに病気を早期発見、早期治療することが最大のポイントであると思います。

ここで、「精検受診率」について説明します。
「要精密検査」とされた人の何%が実際に精密検査を受けたかということです。
当協会の 2020 年度の胃がん検診(胃レントゲン検査)の精検受診率は 65.7%でした。国の胃がん検診における「精検受診率」の目標値は 90%以上、許容値は 70%とされており、許容値に若干足りない値ではありますが比較的年齢層の低い職域検診においてはまずまずの値と考えられます。
しかしながら、さらなる「精検受診率」の向上が求められます。
当協会では健康推進課(保健師)が中心となって精密検査の受診勧奨を行っています。
具体的には、健診結果に要受診の判定のあった方に医療機関受診の際に持参していただく「精密検査のお願い」を健康診断結果に同封しています。
これを持参して医療機関を受診されますと受診機関より当協会に精密検査の結果が郵送されてきます。
そこで、健診受診 2 ヵ月後に返信が届いていない場合は封書にて精密検査受診のお願いを送付しています。
さらに、4 ヵ月後にも封書にて受診勧奨を行っています。
どうかこの 3 回の機会を見逃すことのないようにお願いします。
自分のこと、家族のこと、身の回りの人のことを考えてみてください。

蛇足を少々、
最近、当協会も推奨しているところの「健康経営」ということについてですが、簡単に述べると企業にとって社員(従業員)は宝であり、社員(メンバー)の健康を守る(健康に投資する)ことは企業の発展につながる、といった様なことです。
当協会の健診受診者はほとんどが企業にお勤めの方です。
健診を受診することは非常に重要です。
繰り返しになりますがさらに、要精密検査とされた場合の速やかな精検受診が重要です。
先に述べましたように当協会としても出来うる限りの精検の受診勧奨を行っていますが、国が目標とする数値にはまだまだとどきません。
最近話題となっているのは企業においての精密検査の受診勧奨です。
個人情報の問題等も有ると思いますが、いろいろな取り組みが報告されています。
まずは、精密検査に病院受診するために気軽に休みが取れる環境が必要です。
また、精密検査費用の補助等が考えられます。
以上、企業の経営者、幹部の皆様へのお願いでした。

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