「未病」を管理しましょう
健康診断を受診して、血圧が高いとか、コレステロール値が高いと指摘されたことありますか?その場合、高血圧や脂質異常症という病名がつきますが、病人であるという自覚はありませんね。痛くもかゆくもないし、生活にも影響がないからです。心臓病や脳卒中になって入院したり手術を受けたけれども、社会に復帰して働いている方は病人でしょうか?再発しないように健康管理は必要ですが、病人ではありませんね。社会に貢献している健康な方です。
人間の健康状態は「健康」か「病気」かにわけることはできません。「健康」と「病気」の間で連続的に変化している状態を「未病」といいます。私たちは、生活習慣病や老化を管理しながら、重大な病気にならず健康的な生活を目指して生きているのです。少しでも長く病気に支配されない状態を続けられるように、「病気になってから治す」のではなく、「未病」のうちから改善し管理することによって、健康的な生活が保てるのです。
重大な循環器疾患を避けるために
循環器疾患を発症した場合、その後の人生は大きく変わります。例えば、心筋梗塞を発症すると約30%の方が亡くなります。助かった残りの70%の方も心臓に機能障害を残します。心筋梗塞後遺症をもっている方が、数年後に心筋梗塞を再発すると、すでに心機能が低下しているため、かなり高い確率で重篤な病状となります。循環器疾患は、予防医療が極めて重要なのです。
循環器疾患の原因となる生活習慣病は、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙、慢性腎臓病などです。私たち一人ひとりが循環器疾患の危険性を見つめ直し、主体的に生活習慣の改善に取り組むことが「未病」の管理につながります。